ドミニカ料理
カリブ海のイスパニョーラ島の東部にあり、この島を旧フランス領のハイチと分割しているドミニカ共和国(カリブ海にはもうひとつ、旧イギリス領のドミニカ島が独立したドミニカ国があります)。軽快でノリのいいダンスミュージック”メレンゲ”発祥地でもある旧スペイン領のこの国には、どんな料理があるのでしょうか。
他のカリブや中米一帯の国と同様、ドミニカも、スペインと、原住民、奴隷としてカリブに連れてこられた西アフリカ系が混ざったクレオール文化。肉は鶏肉やヤギ肉がよく食べられ、北部平原のシバオ地方では牛肉が一般的だといいます。海に囲まれているため、カニなど魚介も豊富です。
スペインの流れを汲み、カリブや中米一帯で食されているサンコーチョというスープには、鶏肉やヤギ肉、オックステール、時にはウサギやハトが使われ、アボカド、キャッサバ、プランテーン(料理用バナナ)と一緒に供されます。スペインと同様、料理には油を多用します。
ドミニカでは、ハーブのタイムやつぶしたにんにく、たまねぎのみじん切り、パセリ、青とうがらし、トマト、ビネガーなどを混ぜたソフリート(Sofrito)という付け合せの調味料が日常的に使われ、家庭では、しばしば冷蔵庫に作り置きされます(ソフリートはキューバなどでも食べられています)。
田舎の貧しい地域では、キャッサバを使った料理がよく食べられ、マング(Mangu)というキャッサバをピューレ状にしたおかゆが朝食の定番。カリブの原住民であるタイノ族の食べ物だった、平らで丸いキャッサバのパン・カサベ(Casabe)は、ドミニカにあるほとんどの食品雑貨店やスーパーマーケットで買うことができます。
ドミニカでポピュラーなドリンクは、新鮮なフルーツジュースや、ラム酒とラムのカクテル(特にグレナディーンを加えたココナッツラムパンチ)。海草から作られる、わずかにミント風味のシーモス(Sea Moss)というノンアルコール飲料もあります。