キューバ料理
トロピカルな気候と美しい海に恵まれた“カリブ海の真珠”と呼ばれ、スペインとアフリカ、そしてほんの少し中国移民の影響がミックスした独特な文化を誇るキューバ。首都はハバナ。ルンバやマンボ、ソン(サルサの原型)などのラテン音楽の発信地として、また、社会主義を掲げる孤高の島として異彩を放つ国です。
キューバでよく使われる食材は、お米、豆、卵、チキンや豚肉、鶏肉、キャッサバ、トマト、malangaという根菜などで、味付けにはたまねぎやにんにくをよく使いますが、スパイス、とうがらしは多用せず、辛くありません。
コングリと呼ばれる赤いんげん豆の炊き込みご飯(日本の赤飯や、中米のガジョピントに似ている)や、モロス・イ・クリスティアノス(ムーア人=イスラム教徒とキリスト教徒)という黒いんげん豆の炊き込みご飯、アヒアコという肉、ニンニク、野菜で作られるシチュー、モホ・クリオーロという豚肉入りのにんにくスープ、プランテーンという調理用の青バナナを使った料理(そのままフライにして食べたり、つぶして食べたりする)などがポピュラー。
またフロリダに渡ったキューバ移民がアメリカに広めて有名になったサンドイッチ・クバーノ(=キューバン・サンドウィッチ、またはサンドウィッチ・ミクスト。両面にバターを塗ったキューバのローフパンに冷製ポークや、ハモンセラーノとスライスしたスイスチーズ、甘いピクルス、マスタードをはさみ、スペインの”ラプランチャ”と呼ばれるグリルで軽くプレスしたサンドウィッチ。トマトやレタス、マヨネーズは使用しない。今世紀初頭にキューバの労働者の間で食べられ始めたという)などもよく知られています。
キューバは 1991年のソビエト連邦崩壊後、エネルギーの輸入が激減し、燃料不足から、国中を有機農業に切り替えた経緯があります。”やむを得ず”から始まったキューバの有機農業ですが、時代は流れ、エコロジカルな農業は、今や時代の先端。有機農業の視察にキューバを訪れる外国人もあるほどといいますから、世の中どうなるかわからないもの。ただし、一時に比べてよくなったものの、現在も食糧の配給は不足気味だといいます。
さて、 キューバの名だたる輸出品といえば、さとうきびから作られる質のいいラム酒や、葉巻、最近ではコーヒーなどがあります。もちろんこれらも有機栽培によるもので、コーヒーなどはとてもおいしいです。ヘミングウェイが愛したことで知られるモヒート(ミントの葉とライム、ソーダ水、砂糖)や、ダイキリ(ホワイトラムと砂糖、フレッシュなライムジュース)、クーバ・リブレ(ライムジュースとコカコーラ)など、ラム酒のカクテルが世界中で愛されています。